前市長の3月定例会で、工事中の、この地域への大量地下埋設物の件は、議論をされておりました。
調査中という段階で、対応については、3月議会の時点では、市としての判断は支援されておりませんでしたが、新市長が答弁で、地下埋設物処分に60億円から100億円の可能性を示し、「事業を進めていくことは
困難。一度立ち止まる」と表明しました。
庁内で検討組織を設け、対策を検討していく、ということです。
1997年のトリプル選挙(市長選、県会補欠選、市会補欠選)の時、私は始めて麻溝台、新磯野の143haの市施行区画整理事業について、
意義ありの立場で演説したことを思い出します。
市の議場概要、経過については、
こちら
段階的に整備していくとして、2017年に第1整備地区の
約38haのうちの約5.3haを「産業系共同売却街区」として整備し、
売却先も決まっていて、総事業費127億円、23年度の完成予定だったのですが、
が、危惧されていたことが起きました。
「地中障害物」、地下にコンクリート、アスファルト、市のし尿投棄などが出てきたのです。
この工事は市が清水建設に約70億円で「包括委託」したものですが、
事業手法が、これまでの進め方と違い、工事をすすめながら、地下埋設物調査もその都度、進めていくものです。
この地域は不法投棄が危惧されてきた地域だったということで、このような事態が心配されていました。
今回大量の産業廃棄物は、市は「想定を超える量」「処分費用は約60億円から100億円」としています。
地中障害物の処理費用は地権者の責任、負担ですが、400人の地権者が負担ができるのか、どうか、不可能な場合はどうするのか、
市は検証組織を設け検討していくことになります。
日本共産党市議団は3月の予算議会で麻溝台・新磯野区画整理事業特別会計に対し、反対討論をおこないました。
議会会議録から紹介します。
13番(松永千賀子議員) 日本共産党相模原市議団を代表して、議案第2号
平成31年度相模原市一般会計予算、議案第3号平成31年度相模原市国民健康保険事業特別会計予算、議案第4号平成31年度相模原市介護保険事業特別会計予算、議案第8号平成31年度相模原市麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業特別会計予算に、反対する立場から討論を行います。
まず、市民の安全と安心を守る市長の重大な責任として、米軍基地問題への向き合い方についてです。 本市の将来のまちづくりにとって、大きな阻害要因となる相模総合補給廠へのミサイル防衛司令部創設には断固反対の意思表示を、市民とともに強く表明すべきだということです。 相模総合補給廠がアジア最大と言われる兵たん基地に加えて、さらに戦争シミュレーション訓練を含む兵隊を訓練する施設が建設され、運用されています。さらに昨年10月からは、新たにミサイル防衛司令部が存在することになったことは、紛れもない基地の機能強化であると捉えるべきと考えます。 本市にとって、次期総合計画を策定し、新しい都市の将来像を掲げてまちづくりを推進しようとするタイミングであり、今回の機能強化は、これまで以上にまちの発展の阻害になってくるという危機感を持つべきだと考えます。 日米地位協定の壁で治外法権の米軍基地のすぐ隣に、安全で安心なまちづくりが果たして可能なのかを考えれば、10年、20年、50年先を見据え、米軍、国に、基地機能強化ノーと毅然とした姿勢で臨んでいただきたいのです。 全国知事会が日米地位協定の見直しを求めていることは一つの希望ですが、本市において市長の強い意思、リーダーシップを持って、市民の先頭に立っていただきたいことを要望いたします。 次に、市政運営についてです。 経常的な経費や継続的な経費を計上した骨格予算としながら、一般会計、特別会計の合計は過去最高の4,936億円規模となっていて、留保財源は約3億円程度としています。 新年度予算では、子供の貧困対策、子育て支援、若者への奨学金の充実、教育などの大変評価できる点もありますが、賛同できないとする理由は、国の下請機関となって大型事業を推進する一方、市民の暮らしへの負担増を強いている点、市政全体の方向性と市政運営の考え方で問題とする点があるからです。 地方自治体は、国の法律、制度のもとでの市政運営とならざるを得ませんが、地方自治体の本旨は、住民の福祉の増進とされていますので、国の防波堤となって市民を守る立場に立っているかどうかという点で判断していきたいと思います。 本市の財政見通しと国の経済動向との関係です。地方財政に大きな影響を与える国家予算についてですが、閣議決定したばかりの予算案を修正するという前代未聞のことが起きました。 厚生労働省の毎月勤労統計調査に長期にわたって調査方法の誤りがあり、これによって過去の労災保険や雇用保険等の給付が過少給付であったことが発覚し、追加支給するための予算案の修正です。 政府の不始末による修正は前代未聞であり、統計や国の事務執行への批判と不信が沸騰しました。本市公務員にも影響があったことが答弁で示されました。 統計の不正に関する国会審議で、景気は回復している、実質賃金が上がった等は全て誤りであったことが明らかになり、政府もこのことを認めました。 消費税増税の根拠が崩れたのに、10月には国民の反対の声を押し切って10%増税を強行しようとしています。 3月7日に発表された景気動向指数で、内閣府は、基調判断を足踏みから下方への局面変化に下方修正し、景気後退局面に入っている可能性が高いとされています。 こうした国の経済動向見直しの変更を踏まえ、本市の財政見通しは修正しなくていいのかという点です。 本市の昨年10月時点の予算編成方針では、国の経済動向についてこのようにうたっています。 雇用、所得環境の改善が続く中で緩やかに回復している、この認識に立っています。 この予算編成方針時点で、本市は34億円の赤字としておりましたが、財政サイドで調整し、過去最高額の予算として、今回、提案されています。 また、次期総合計画の長期財政見通しにおいても、同じ判断に立って、歳入は微増するとしています。 国の財政見通しについての変化を見れば、今の相模原市が進めようとしている大規模事業については、事業決定、工事実施となれば、本市の財政基盤で本当に可能なのか、市民の不安はもっともなことです。 これまで出されている大規模事業の事業費は、橋本駅周辺、相模原駅周辺の都市基盤整備事業で600億円、 JR横浜線連続立体交差事業は600億円から2,000億円、本市負担分は不明です。 さらに検討中なのが、京王線の駅をリニアの駅に近づける移設事業、この事業費総額、本市負担分はいまだに示されておりません。 また、相模原駅南口整備、そして橋本駅前整備、具体的な事業費が示されないままで、財源の見通しが今後、厳しくなるのではないか、なぜこのような大規模事業が可能と考えているのか、説得力のある説明がされていません。財政見通しと大規模事業費を早期に示し、市民議論にかけるべきだと考えます。 この間、市は、相模原市の財政がいかに厳しいかということを強調し、公共施設の使用料、利用料の値上げ、市民火葬料や公民館の有料化など、市民負担増を課してきました。 公民館の有料化では、半年間の利用者の推移を見れば、約1割の減少があること、使用料が少ない小さい部屋への利用申し込みが多くなっていることなど、明らかに影響が出ていると捉えるべきだと考えます。 これ以上の市民負担増は行うべきではないと考えますが、3年ごとの公共施設使用料の見直しで、消費税増税のある2019年度は値上げしないが、1年おくれの2020年度においては値上げを予定している点は問題であると考えます。 さらに、10月には消費税10%増税と同時に、国民の貧困ラインを押し下げる生活保護費の削減が始まります。 またもや生活保護費を、最大5%、3年かけて段階的に削減するというものです。 国費ベースで年160億円の削減です。 年度内の10月から3月までは影響を回避するとしていますが、新年度からは引き下げられた基準額と連動させていくことになることから、減額や対象外となってくる人が出てくる影響は避けられません。 また、生活保護基準額の見直しに伴い、生活保護費を基準とした他制度では、例えば個人住民税の非課税限度額、地方単独事業で行っているもの等、多々あります。 これらも半年後には影響が出てくるということになります。低所得世帯には大きな打撃です。 市民の厳しい生活実態を正確に把握していく調査手法を検討し、市民負担増を避ける努力をすべきだと考えます。 リニア関連事業では、広域交流拠点推進事業として4億700万円が今回、計上されています。 地方協力事業として再び計上されています。JR東海との契約で、市職員が用地取得事務を受託して用地交渉を行っていますが、市はその業務をさらに民間に委託しています。当初の5年間では終了せず、さらに2年間延長する事態は、用地交渉契約が順調に進んでいないのかという質問に対しても、きちんとお答えがありません。 高圧線鉄塔の移設では、撤去6基、新設4基とのことで、関係周辺市民にとっては、地下だけでなく、高圧鉄塔の不安も重なることになりました。 シールド工法の安全性については、JR東海が安全としているから安全だと、こういう姿勢です。発生残土や産業廃棄物としての残土の問題が、いよいよ本市でも出てくると思われます。 市民の暮らし、環境をしっかり守る立場で、国にも、JR東海にも対峙していただくことを求めます。 次に、地域産業政策についてです。 企業呼び込み型の産業政策から地域経済循環型への転換を、日本共産党市議団は繰り返し求めてまいりました。企業呼び込み型の産業政策、STEP50では、奨励金や税金軽減など厚遇して誘致した企業への投資額と、税金等の市への歳入増、この収支ではいまだにプラスに転じていません。 今度の補正予算でも産業集積促進基金に積み増しをしておりますが、産業政策としても問題があるのではないでしょうか。 市内中小零細事業者の仕事興しと市民にも喜ばれる住宅リフォーム助成制度や、店舗リニューアル制度などの市内経済循環にも寄与する、こうしたきめ細かい施策をもっと積極的に取り組むことを求めます。 農林業を産業として積極的に行うという点です。一般会計予算は、年々、過去最高と伸びていますが、農林業予算は年々減少を続け、新年度は前年比微増となっています。 比率としては減少を続けています。林業も産業として生かすチャンスとも言われますが、有効な施策がとられていないことは極めて残念です。 世界の動向を見れば、国連でも農業を重要視しているにもかかわらず、日本は、TPPなどで日本の農業に打撃を与える関税撤廃の方向や、食品添加物、農薬、遺伝子組みかえなど食の安全、日本国民の健康面でも大きな不安となっています。 農産物輸入が世界レベルで自由化された場合、食料自給率は39%から14%に落ち込むと、2010年11月、農水省の試算結果が出されています。 安全で安定した食料を自給すること、地場農産物の安定供給を図るためにも、本市の強みを生かした農業戦略を持って推進すべき産業分野です。 そのためにも、余りにも少ない農林業予算を抜本的に拡充し、積極的な農政へと転換することを強く求めます。 少子高齢化に対応するまちづくりについてです。 高齢者のお出かけ支援としての公共交通の充実や、バス代補助など高齢社会に向けた環境整備を図っていくときですが、御答弁でも前向きな姿勢が余り見えてこないことは残念です。 コミュニティバスの運行継続条件は、他市に比べても大変厳しく、2つもの基準を設けていることから、8地域から要望が出ているにもかかわらず、現在は2コースのみの運行が実施されているだけです。 本市は、市営バスがないという点でも、他都市と比べて市民が不便、負担を感じているのですから、今後の社会を見据え、高齢者を初め、交通不便地域の利便性向上、公共交通拡充に積極的に取り組むことを求めます。 子育て支援では、保育園、学童保育の待機児解消はまだ実現していません。認可保育園増設のためのさまざまな工夫を凝らし、最善の環境整備を図るよう、保育の質を確保するために、安易に基準緩和を行うことがないよう要望します。 学校教育については、補正予算を含め、学校施設面での改善、充実が図られることは大変評価できることです。 大規模改修を計画的に、順次行うこと、その際、靴箱の大きさを広げ、今の子供たちのサイズに合わせることや、置き勉が可能なスペースを確保すること、また、改修時には可能な限り国産材、津久井産材を活用して、子供たちの感性を豊かにする環境とすることを要望いたします。 時代の進展に応じた適切なIT活用と同時に、人間性の原点となる五感を豊かに成長させることにつながる自然体験教育を充実すること、子供の貧困が広がる中、朝食に関する実態調査や対応、中学校給食の改善、自校方式や、近接する小学校と中学校の親子方式についてもモデル実施を始めるなど、食育としての学校給食の充実を求めます。 少人数学級を早期に3年生以上に、そして、順次、実施していくべきです。学校現場の意向に任せるとしていますが、中学校3年生でモデル実施をされたにもかかわらず、本市では何の進展もありませんでした。 全国の政令市の少人数学級の状況と比較しても、本市は余りにも大きく立ちおくれています。浜松市は、小学校1、2年生は30人学級、3年生以上、中学3年生までは35人学級です。 新潟市は、小学校4年生まで32人学級、5年生以上、中学3年生までは35人学級、静岡市は小学校1年生から中学3年生まで35人学級、岡山市も同じです。 学力問題、いじめ、不登校の問題、教員の長時間勤務の問題など、総合的に問題解決に近づける有効な対策としても、早期に少人数学級を次期総合計画に位置づけ、順次、実施するよう強く求めます。 若者施策についてです。 当事者の若者の声を聞くこと、調査、議論を若者自身が行い、施策を決定、実施、検証することなど若者の市政参画への仕組みづくりについて、日本共産党市議団は、この間、何度も質問、要望してきましたが、いまだに実施されていません。 こども・若者未来局という名称で方向性は若干感じられますが、もっと積極的に取り組み、新たな若い人たちの発想、手法を、さまざまな分野の若者の参画で市政に生かしていくこと、その仕組みづくりをまず検討されることを強く要望します。 次に、国民健康保険事業特別会計予算についてです。 本市においても、厚生労働省の全国調査の結果と同様、国保加入者の所得は減少しているのに、国保税は高くなっているという実態が見られました。 低所得層で構成されていることや、過去に比べても、いかに国保税が重くなっているか、払えない滞納世帯が出てしまうかは、構造的な問題であり、個々の納税意識の問題ではないこと、負担が限界に来ていることを認識すべきだと考えます。 全国知事会、全国市長会、全国町村会など、地方団体がこぞって指摘しています。そして、公費投入の拡充を国に要望しています。 代表質問でも紹介した毎月年金1万円の方が、7割法定減免を適用されても、均等割、平等割の課税があるために、月2,150円の国保税を納めなければならない。 この国保税の高さは、もはや異常です。他都市で広がっている均等割の減免は本市は困難だと繰り返して、実施の検討の姿勢すら見せておりません。 18歳未満の子供の均等割の免除額は、実施するとしたら、約4億3,000万円という御答弁でしたので、毎年、ほぼ15億円から20億円の決算剰余金の中からこれを財源に充てれば、十分可能な金額ではないかと考えます。 困窮する市民に寄り添う姿勢を示していただくことを求めます。 介護保険事業特別会計についてです。 介護保険制度は、保険あって介護なしの制度となっていることが問題視されてきました。年金から天引きされ、3年ごとに保険料が値上げされ、いざ介護サービスを受けたいと思っても、次々とハードルが高くなり、必要なサービスがお金次第で利用できないということでは、保険制度とは言えないと考えます。 自立支援、重度化防止に向けた保険者機能強化と銘打って、成果を上げた市町村への財政支援をするという保険者機能強化推進交付金は、保険者機能をゆがめる制度であり、このような制度はやめるべきと考えます。 住民主体サービスもボランティア頼みでは、必要な介護サービスが十全に安定的に提供できるという環境にはなっていないのが現状です。 介護保険料の負担が重過ぎること、利用料が重過ぎることなどの課題は、一層深刻になるばかりです。 介護保険制度は介護保障制度であるべきで、この原点に照らしても、現在のあり方については、多くの問題があり、賛成できません。 最後に、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業特別会計についてです。 この事業については、事業手法や事業費が短期間で大幅に変動するなど、事業開始時から、さまざまな点で問題を感じてきました。 この地域の地中埋設物の可能性の不安から、この手法で進行することに危惧を感じていましたが、不安が的中したということになります。 建設委員会等で明らかになった、市のし尿及び浄化槽汚泥の埋め立て処分や民間の地中への廃棄物投棄についてです。 この地域の状況をよく知っていた人にとっては、出るべくして出てきたということになります。市がし尿等の投棄をしてきたというのは、行政運営の中でされてきたことなので、なぜ今発覚されたのか、まず不可解です。 昭和46年当時から8年間、し尿及び浄化槽汚泥の埋め立て処分が行われていた地域であり、掘れば出てくる地域であることが、なぜ、今でないとわからなかったのかが理解できません。 当然、想定されていた地域なのに、なぜ、市はこの事業を進めてきたのか。また、地下を掘って出てきたら、処理、対応すれば問題ないレベルと考えての事業開始なのか、事業実施前の十分かつ慎重な検討がされてきたのか、市施行ですから、市の責任は大きいと思います。 この点は検証されるべきだと考えます。 埋設量や土壌調査結果、関係する経費、スケジュールの変更等の具体的なことは今後明らかになってくることですが、市民にとっては、事業費がさらに膨らむのか、スケジュールがどのくらいおくれるのかなど、関係者だけでなく、税金投入という点では、市民全体の問題です。 今後、現場での適切な対応とともに、今回の事実経過についての検証を求めたいと思います。 以上、討論といたします。(拍手) | |
この区画整理事業問題は9月決算議会でもまた調査検討した上で議論していきたいと思います。