2019/06/07

本村新市長への代表質問 1問目全文

6月6日におこなった代表質問 1問目全文です。



     日本共産党を代表して、代表質問をいたします。

 

 4月の市長選挙で初当選された本村市長の選挙公約、就任記者会見、所信表明等、主に、この間発信されてこられたことに関して伺います。

 

まず、市政運営に当たっての基本姿勢についてです。

市政運営を担っていくうえで、日本国憲法についてです。

 

日本国憲法第99条、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員はこの憲法を尊重し、擁護する義務を負う」とされています。新入職の市職員の服務宣誓でも明記されています。

 

国民主権、基本的人権、平和主義、地方自治など戦後民主主義に基づく先進的な条項を持った現行憲法についてのお考え、首長として、日本国憲法を市政運営に生かす、具現化していく、という立場で臨んでいくことが求められますが、お考えを伺います。

 

次に、自治体運営にあたっては、福祉の増進を図るという、自治体本来の役割についてです。

貧困と格差が広がるなか、暮らしへの希望が持てない、いのちも将来設計も金次第となっている残念な現状があります。

ひとり一人の尊厳が守られ、個性、能力が最大に生かされる社会へ、温かい本来の政治への転換が求められています。

 

地方自治法第1条の2では、地方公共団体の役割として、「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担うもの」とされています。

しかしながら、国の方向性は地方自治体の在り方をゆがめています。

安倍政権は、国際競争力の名のもとに、大企業のための大型開発や規制緩和を地方自治体に押し付ける一方、福祉や医療の後退、公共施設の統廃合、自治体業務の民営化などを自治体に進めさせています。

自治体が、政府の出先機関のような役割を果たすのか、それとも、住民の福祉を守るという自治体本来の役割を果たすのかが問われています。地方自治法と市政運営についてのお考えを伺います。

 

次に基地問題に関する基本姿勢について

市内には、3つの米軍基地があり、キャンプ座間には、米陸軍第1軍団前方司令部、相模総合補給廠には昨年ミサイル防衛部隊司令部が配備されています。

これらの基地をめぐっては、歴代の市長が市民の先頭に立って、市民ぐるみで基地の強化に毅然と反対の意志を示し、返還を求めてきた経緯もあり、相模総合補給廠の一部返還も、このような粘り強い取組により、ようやく返還されたという歴史があります。

基地問題は、市民の安全と安心を守るうえで、緊張感を持って取り組まなくてはいけない本市の重大な市政課題です。

市長においては、より毅然とした意志をもって、適時適切に政府や米側に声をあげていくことが今後出てくるのではないかと考えます。基地問題に関する市長の見解を伺います。

 

次に、国や県等に対して市民の声を届けることについて

市が抱える市政課題の中には、市の取り組みだけでは解決できない問題もあります。解決に向けて、国や県、関係する企業・事業者等に声を上げていくことも重要になってきます。

例えば福祉の問題では、高すぎる国民健康保険税の軽減を図るために、公費を1兆円投入することを全国知事会、全国市長会、全国町村会などが国に声を上げています。

リニア関連、教育、環境問題など、本村市長におかれては、今後首長として、様々な問題において、市民の立場にたっていただき、的確に機敏に声を上げていかれるよう期待しておりますが、見解を伺います。

 

次に、人口減少、超高齢社会に対応するまちづくりについて

所信表明では、「持続可能なまちづくり」で、人口減少などの様々な課題に対して取り組んでいくと、表明しています。

今後、少子高齢化、人口減少が進行していくこととなりますが、このことをネガティブに捉えるだけなく、子どもたち・若者を大切にし、高齢者を支えながら、前向きに市政に取り組んでいく必要もあると考えます。現時点のお考えを伺います。

 

次に こども・若者施策について

今回の市長の選挙政策、所信表明のなかで、子どもたちや子育て世代に寄り添った暖かさと希望を感じたひとつに、「子どもたちが、のびのび遊べる公園を作ります。」という点です。

 

スマホなどのゲームで依存症に陥る子ども達に国連からも警告と対処が指摘されていますが、子ども時代に充分に遊べることは生きる力、自信の土台となり、その後の人生にも大きく生きてくるものと言われます。

子ども権利条約、本市の条例の理念に照らしても、優先課題と捉え、ぜひ実現に力を合わせていきたいと思いますが、現時点でのイメージがあれば伺います。

 

また、子育て世代の現実の切実な要求として、保育所の待機児童、保留児童解消という課題があります。

解消に向けた取り組みについて伺うとともに、学童保育、児童クラブの待機児状況及びその対策についても伺います。

 

また、人口減少率を下げるという点では、若者施策が重要になってきます。

日本共産党市議団は、若者世代自身が若者施策の立案にかかわるような恒常的なしくみづくりをすることを繰り返し提案してきました。

様々な職業や立場の若い世代自身で政策を考える、「若者会議」のような仕組みを常設することについて、今後検討されることを期待するものですが、いかがでしょうか、お考えを伺います。

 

次に、シルバーパス、コミュニティバスについて

今回の市長、市議選では、シルバーパスやコミュニティバスなど、交通不便地域、交通弱者、高齢者の免許返上後の移動支援など、地域交通問題が多くの候補者の選挙公約としても取り上げられていました。

昨今、高齢者が加害者になってしまう痛ましい交通事故が続く状況からも、早急に適切な対応策が講じられるべきと考えられます。

日本共産党市議団としても、繰り返し、議会でさまざまな角度から、本市の対応を求めてきたところです。

市長も所信表明のなかで、「地域の実情に応じたバスの利用の支援について、検討を進めていく、バス路線のない地域についても移動手段の確保を図っていく」と明確に述べておられます。 公約では、「敬老パスを導入します、大規模な移動実態調査を行い、市内交通網を見直します」と具体的に示しています。

市民の期待が高まっていますが、それらの政策の導入についての考えを伺います。

 

次に、公民館について

選挙公約では、「公民館の在り方について、見直しを検討します」とあります。

相模原の社会教育、公民館活動は、まさに、市民の誇りであったと、伺っています。本市の公民館は、地域のお茶の間として、集い、交流し、生きがいをはぐくむ拠点として、また、地域の課題を考え、解決に地域力を生かしていく場として機能してきたと受け止めています。

社会教育施設として、使用料は無料の原則で、すべての市民に開かれていたものが、昨年、受益者負担、という考え方で、多くの市民の反対の声を押し切って、有料化が実施されました。    この有料化でどのような影響が出ているのか、詳細に検証しているさなかではないかと思いますが、「公民館の在り方について見直しを検討していく」と述べられた真意を伺います。

 

次に、地域経済循環型の産業政策へ

農林業、エネルギーの地産地消の推進について

所信表明では、「豊かな自然は貴重な財産である、生物多様性をはぐくむ豊かな森林の保全に努める」と述べておられます。

 

豊かな森林、としていますが、森林資源を林業として活かしているか、活用しているか、という点です。

森林の実態を把握し、林業として最大活用し、そこで生み出された森林資源が市民に利活用されていく、雇用の確保につながる、地域経済の循環が図られるような仕組み作りが重要と考えます。森林という貴重な財産を活用した地産地消の取組について、市長の考えを伺います。

 

次に、住宅リフォーム助成制度の復活、店舗リニューアル制度の創設について

所信表明では、「市長がトップセールスにより企業誘致を積極的に行い、地元の雇用を創出する」と述べられています。

ステップ50の企業誘致では、いまだに投入した税金と法人税収等での税収増という点では収支採算の点では増加に転じていないのが現状です。

日本共産党市議団は、地域に仕事を起こす、地域経済を循環させることに有効な制度の一つとして、これまで繰り返し、住宅リフォーム助成制度の復活、店舗リニューアル制度創設を求めてきました。住宅リフォーム助成制度については、その有効性が実証されています。検討を進め、実施を求めたいと考えますが、見解を伺います。

 

公契約条例の実績と今後について

2012年度から本市の公契約条例がスタートし、工事請負、業務委託等、指定管理者と締結する公の施設の管理に関する協の締結に基づくものなどを条例対象とし、報酬下限額の設定により、公共工事の質の確保と、労働者の賃金を、最低賃金を上回るものとすることで、市内経済循環にも寄与するものと考えます。

2015年度には、対象工事を3億円から1億円、業務委託を1000万円から500万円に対象を広げたことにより、件数も増加しています。

報酬下限額は県内でも、トップクラスの水準となっていますが、公契約条例 対象案件は全体公共事業の1割であり、残る9割の事業は公契約条例の対象外です。

 

国の定める設計労務単価は上昇しているのに、現場の労働者の賃金が上がっていない、との声があります。

公契約条例対象外となっている9割の公共事業に携わる労働者の賃金については、市は把握しておられるのか、伺います。

 

また、市内の消費購買力を高めていくためにも、公共事業に関わる労働者の賃金を上げる取り組みが必要と考えますが、市長の考えを伺います。

 

「広域交流拠点整備計画」とリニアについて

整備計画の見直しについてです。

公約や所信表明で、「大規模開発は一度立ち止まって見直す。市民参加型コンペなどの開かれた手法を検討し、市民と熟慮したうえで利用方針を決めていく」としています。

また、橋本駅周辺については、「まちづくりの長期的ビジョンを打ち出す」としています。

すでに、「広域交流拠点整備計画」が策定されていますが、現整備計画との関係性について伺います。

 

次に、リニア中央新幹線について

各地で工事が進んでいるリニア中央新幹線は、国際競争、都市間競争に打ち勝つ日本、という発想での国家プロジェックト事業です。公費も投入して進んでいこうとしていますが、計画当初から、様々な問題が指摘され、実際に工事が始まると、環境問題、残土問題、補償問題などが噴出しております。各地で裁判も起きています。本市でもさまざまな問題が危惧されています。

JR東海は、情報提供の点でもあまりにも不十分であることから、市民の利益、安全、安心に寄り添って、市として、JR東海に、適時適切にしっかりと声をあげる必要があると考えますが、市長のお考えを伺います。

 

検討の方向性について

相模原駅周辺、橋本駅周辺整備では、整備計画が策定され、京王線駅移設問題については、現在協議が進行中となっています。

新聞報道では、リニア開通については、2027年の開通延期が見込まれる、との記事もありました。

本市試算では、両駅の基盤整備事業費だけでも600億円という金額もすでに示されていますが、検討の方向性について伺います。

 

次に、教育行政について

ア 教育施設の長寿命化について

教育施設の長寿命化計画は今年度策定される予定とのことですが、その全体像について伺うとともに、長寿命化計画策定により、2017年3月に策定された公共施設マネジメント推進プランが示したコストとの関係で、なんらかの変更、修正が生じるのか、伺います。

 

次に、学校給食について

学校給食に関して所信表明では、「地産地消を進めるとともに、子どもたちに喜んで食べてもらえる給食を提供するための手法についても早急に検討を進めていく」との考えが示されています。

小学校給食で、親子方式導入の検討がされていることについて、私たちは、検討そのものを止めるよう、決して後退をしないよう要望してきたところです。

市長の「早急に検討していく」としている小学校給食及び中学校給食についての、市長のお考えを伺います。

 

少人数学級を計画的に実施することについて

子どもの人数が少なくなれば、少人数学級にできるチャンスなのに、学校をなくす、党廃合するという発想は、子どもの最善の利益を優先するという立場とは思えません。

 

政令市の中には、国基準を超えて、独自に少人数学級を進めているところが多くあります。本市も、小学校3年生以降を順次、計画的に少人数学級の実施を求めたいと思いますが、お考えを伺います。

 

「市民が誇れるまち」について

ア 「誇りに思えるまち」とは

所信表明では、民間の会社による調査で本市のシビックプライドが低いことが挙げられていますが、「誇りに思えるまち」とは、年代や性別、地域や生活スタイルによって様々です。

市長が考える「誇りに思えるまち」とは、どんなまちなのか、率直な市長のイメージを伺います。

 

イ 誰もが自分らしく生きることができるまちへ

「多様性が尊重される社会の実現」が挙げられて、「誰もがありのままの自分で生きることができる」社会を実現するとされております。世界の流れ、憲法的視点からも、支持できる点です。

ヘイトスピーチ条例策定についても決意を述べておられること、大変共感しております。

そこで、共生社会の実現に向けて、どのように取り組んでいくのか、現時点での見解を伺います。

 

2 議案第86号 相模原市総合計画基本構想について

(1)財政見通しについて

総合計画審議会で、昨年度基本構想策定の議論の時点で示された市の「長期財政収支」は、当時の国の制度や社会情勢を踏まえたものでした。

その後、国では、各種基幹統計調査の不正等で実は実質賃金はマイナスだった、実はGDPはマイナス、景気は後退局面に入ったなど、国の景気見通しも変化し、10月の消費税10%増税が強行された場合の一層の景気後退が懸念されています。

 

基本構想時の国の景気見通しを踏まえた「長期財政収支」の修正の必要について、また、基本計画を今後審議会で議論していくにあたっての財政見通しについての考え方について伺います

 

(2)まちづくりについて

今回の基本構想では、政策16で、「多様な主体が、それぞれの強みを生かして連携・協働をし、地域課題の解決をはじめ、区・地域の個性を生かした魅力的なまちづくり、担い手の育成、参加しやすい環境づくりを進める」としています。

市長の所信表明でも、市政運営の基本姿勢として、「市民に開かれた市政」、「市民に身近に感じてもらうこと」「共に市政をつくっていくことを重要視していきたい」とのお考えが示されました。

市民の声を生かし、反映させるような新たなまちづくりの仕組みを考えていかれるのか、具体的に考えておられることがあれば、伺います。

 

(3)ひとづくりについて

基本構想で描く将来の都市像を目指す上で、最も必要なのは、人づくり、人材の問題だと考えます。

全ての政策に共通する基本姿勢として「次代につなぐまちづくり」を挙げています。まちづくりを進める上では、それを実行する人づくりが大切になってきます。

  人づくりについての新たな提案もありましたが、市長の考えを伺います。

 

  以上で1問目を終わります。