19,3,15日 3月定例会 最終日
日本共産党相模原市議団
一般会計他3特別会計予算に対する 反対討論をおこないました。
日本共産党相模原市議団を代表して 議案第2号 平成31年度相模原市一般会計予算、議案第3号 平成31年度相模原市国民健康保険事業特別会計予算 議案第4号 平成31年度相模原市介護保険事業特別会計予算、議案第8号 平成31年度相模原市麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業特別会計予算に反対する立場から討論をおこないます。
先ず、市民の安全と安心を守る市長の責任として重大な米軍基地問題への向き合い方についてです。本市の将来のまちづくりにとって、大きな阻害要因となる相模総合補給廠への「ミサイル防衛司令部」創設には、断固反対の意志表示を市民とともに、強く表明をすべきということについてです。
相模総合補給廠が、アジア最大と言われる兵站基地に加えて、さらに戦争シュミレーション訓練含む兵隊を訓練する施設が建設され、運用されています。さらに、昨年10月からは、新たにミサイル防衛司令部が存在することになったことは、まぎれもない基地の機能強化であると捉えるべきと考えます。
本市にとって、次期総合計画を策定し、新しい都市の将来像を掲げてまちづくりを推進しようとするタイミングであり、今回の機能強化はこれまで以上にまちの発展の阻害となってくるという危機感をもつべきと考えます。
日米位協定の壁で治外法権の米軍基地のすぐ隣に、安全で安心なまちづくりが果たして可能なのか、を考えれば、10年、20年、50年先を見据え、米軍、国にノー基地機能強化と毅然とした姿勢で臨んでいただきたいのです。
全国知事会が日米地位協定の見直しを求めていることは一つの希望ですが、本市において、市長の強い意志、リーダーシップをもって市民の先頭にたっていただくことを要望します。
次に市政運営についてです。経常的な経費や継続的な経費を計上したとする骨格予算としながら、一般会計・特別会計の合計は、過去最高の4936億円規模となっていて、留保財源は約3億円程度としています。
新年度予算では、子どもの貧困対策、子育て支援、若者へ奨学金の充実、教育などの評価できる点もありますが、賛同できないとする理由は、国の下請け機関となって、大型事業の推進をする一方、市民の暮らしへの負担増を強いている点、市政全体の方向性と市政運営の考え方の点で、問題とする点があるからです。
地方自治体は国の法律、制度のもとでの市政運営とならざるを得ませんが、しかし、地方自治法の本旨は、住民の福祉の増進とされていますので、国の防波堤になって市民を守る立場に立っている、どうかで判断していきたいと思います。
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本市の財政見通しと国の経済動向との関係です。
地方財政に大きな影響を与える国家予算についてですが、閣議決定したばかりの予算案を修正するという前代未聞のことがおきました。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」が長期にわたって、調査方法の誤りがあり、これによって、過去の労災保険や雇用保険等の給付が過小給付であったことが発覚し、追加支給をするための予算案修正です。
政府の不始末による修正は前代未聞であり、統計や国の事務執行への批判と不信が沸騰しました。本市公務員にも影響があったことも答弁で示されました。
統計の不正に関する国会審議で、「景気は回復している」「実質賃金が上がった」等は全て誤りであったことが明らかになり、政府もこのことを認めました。消費税増税の根拠がくずれたのに、10月には国民の反対を押し切って10%増税を強行しようとしています。
3月7日に発表された景気動向指数で内閣府は、基調判断を「足踏み」から「下方への局面変化」に下方修正し、景気後退局面に入っている可能性が高い、とされています。
こうした国の経済動向見通しの変更を踏まえ、本市の財政見通しは修正しなくていいのか、という点です。
本市の昨年10月時点の予算編成方針では、国の経済動向について「雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復している」との認識にたっています。
予算編成方針の時点では、本市は、34億円の赤字としていましたが、財政サイドで調整し、過去最高額の予算として提案されました。
また、次期総合計画の長期財政見通しにおいても、同じ判断にたって、歳入は微増するとしています。
国の財政見通しについての変化をみれば、いま相模原市が進めようとしている大規模事業については、事業決定、工事実施となれば、本市の財政基盤で本当に可能なのか、市民の不安はもっともなことです。
これまで出されている大規模事業で事業費は、橋本駅周辺・相模原駅周辺の都市基盤整備で600億円、JR横浜線連続立体交差化事業は600億円から2000億円、本市負担分は不明です。
さらに、検討中が京王線の駅をリニア駅に近づける移設事業は事業費総額、本市負担分がいまだに示されていません。
また、相模原駅南口整備なども、具体的な事業費が示されないなかで、財源の見通しが今後厳しくなるのではないか、何故このような大規模事業が可能と考えているのか。説得力のある説明がなされていません。
財政見通しと大規模事業費を早期に示し、市民議論にかけるべきです。
この間、市は相模原市の財政がいかに厳しいかということを強調し、公共施設の使用料、利用料の値上げ、市民火葬料や公民館の有料化など市民負担増を市民に強いてきました。
公民館の有料化では、半年間の利用者推移で約1割の減少がみられてことや、使用料の小さい部屋へ利用申し込みが多くなっているなど、明らかに影響が出ていると捉えるべきと考えます。
これ以上の市民負担増は行うべきではないと考えますが、3年毎の公共施設使用料の見直しで、19年度は値上げしないが、1年遅れの20年度については、値上げを予定している点は、問題であると考えます。
さらに、10月には、消費税10%増税と国民の貧困ラインを押し下げる、生活保護費の削減が始まります。
またもや生活保護費を最大5%、3年かけて段階的に削減するものです。国費ベースで年160億円削減です。年度内の10月から3月までは、影響を回避するとしていますが、新年度からは引き下げられた基準額と連動させるとのことですから、減額や対象外となる人がでてくる影響はさけられません。
また、生活保護基準額の見直しに伴い生活保護費を基準とした他制度では、例えば、個人住民税の非課税限度額、地方単独事業として行っているもの等数多くありますが、これらも、半年後には影響がでてくる、ということです。
低所得世帯にとっては大きな打撃です。
市民の厳しい生活実態を正確に把握していく調査手法を検討し、市民負担増を避ける努力をすべきと考えます。
リニア関連事業では、広域交流拠点推進事業として4億7000万円計上されています。
地方協力事業として、再び計上されています。JR東海との契約で
市職員が用地取得事務を受託して用地交渉を行っていますが、市はその業務をさらに民間に委託するという形です。当初の5年間では終了せず、さらに2年間延長する事態は用地交渉契約が順調に進んでいないのか、の質問にもきちんとお答えがありません・
高圧線鉄塔の移設では撤去6基、新設4基とのことで、関係周辺市民にとっては、地下だけでなく、高圧鉄塔の不安も重なることになりました。シールド工法の安全性については、JR東海が安全としているから、安全のようだ、という姿勢です。
発生残土や産業廃棄物としての残土の問題がいよいよ、本市でもでてくると思われます。市民の暮らし、環境をしっかり守る立場で国にも、JR東海にも対峙していくことを求めたいと思います。
地域産業政策についてです。
日本共産党市議団は繰り返し、企業呼び込み型産業政策から地域経済循環型へ転換を求めてきました。
奨励金や税金軽減など厚遇して誘致した企業への投資した企業からの税金等の市への歳入増の差し引きでは、いまだにプラスに転じていません。
今年度補正予算でも、産業集積基金に積み増しています。産業政策としても問題があるのではないでしょうか。
市内中小零細事業者の仕事興しと市民にも喜ばれる住宅リフォーム助成制度や店舗リニューアル制度などの市内経済循環も寄与するきめ細かい施策をもっと積極的に取り組むことを求めます。
農林業を産業として積極的に
一般会計予算は年々過去最高と伸びていますが、農林業予算は年々減少を続け、新年度は前年比微増となっています。
比率としては減少を続けています。
林業も産業として活かすチャンスともいわれますが、有効な施策がとられていないことは残念です。
世界の動向を見れば、国連でも、農業を重要視しているにもかかわらず、日本は、TPPなどで日本の農業に打撃を与える関税撤廃の方向や食品添加物、農薬、遺伝子組み換えなど食の安全、日本国民の健康面でも大きな不安となっています。
農産物輸入が世界レベルで自由化された場合、食料自給率は39%から14%に落ち込むと、2010年11月、農水省の試算結果が出されています。
安全で安定した食料を自給すること、地場産農産物の安定供給を図るためにも、本市の強みを生かした農業戦略を持って、推進すべき産業分野です。
そのためにもあまりにも少ない農林業予算を抜本的に拡充し、積極的な農政へと転換することを強く求めます。
少子高齢社会対応のまちづくりについてです。
高齢者のお出かけ支援としての公共交通の充実やバス代補助など、高齢社会に向けた環境整備を図っていく時ですが、ご答弁でも、前向きな姿勢があまり見てこないことは残念です。コミニティバスの運行継続に他市に比べても大変厳しい2つもの運行継続基準を設けていることから、8地域から要望がでているにも関わらず、現在は2コースの運行が実施されているのみとなっています。
本市は市営バスもない、という点でも他都市と比べても市民が不便・負担を感じているのですから、今後の社会を見据え、高齢者はじめ、交通不便地域の利便性向上に公共交通拡充に積極的に取り組むことを求めます。
子育て支援では、保育園・学童保育の待機児解消はまだ、実現していません。
認可保育園増設のための様々な工夫を凝らし、最善の環境整備を図るよう、保育の質を確保するため、安易に基準緩和を行うことがないよう、求めます。
学校教育については、
補正予算含め、学校施設面での改善充実が図れることは大変評価できることです。
大規模改修を計画的に順次行うこと、その際、靴箱を大きさを広げ、今の子ども達のサイズに合わせることや置き勉が可能なスペースを確保すること、改修時には可能な限り、国産材、津久井産材を活用して、子ども達の感性を豊かにする環境とすることを要望します。
時代の進展の応じた適切なIT活用と同時に人間性の原点となる5感を豊かに成長させることに繋がる自然体験教育を充実すること、子どもの貧困が広がるなか、朝食に関する実態調査や対応、中学校給食の改善、自校方式や近接する小学校との中学校の親子方式についてモデル実施を始めることなど、食育としての学校給食の充実を求めます。
少人数学級を早期に3年生以上に、そして順次実施していくべきです。
学校現場の意向に任せるとしていますが、中学3年生でモデル実施されたのち本市では、なんの進展もありませんでした。
全国の政令市の少人数学級の状況と比較しても本市は大きくたち遅れています。
浜松市は小学1,2年生は30人学級、3年生以上、中学3年生まで35人学級です。新潟市は小学4年生まで32人学級、5年生以降中学3年生まで35人学級、静岡市は1年生から中学3年生まで35人学級です。岡山市も同じです。
学力問題、いじめ、不登校の問題、教員の長時間勤務の問題など、総合的に問題解決に近づける有効な対策としても早期に少人数学級を次期総合計画に位置づけ、順次実施をするよう強く要望します。
若者施策についてです。
若者施策を当事者若者の声を聞くこと、調査・議論を若者自身が行い、施策を決定、実施、検証することなど、若者の市政参画への仕組みづくりについて、日本共産党議員団はこの間なんども質問要望してきましたが、いまだに実施されておりません。
子ども・若者未来局という名称で方向性は若干感じられますが、もっと積極的に取り組み、新たな発想、手法、を様々な分野の若者の参画で市政に活かしていくこと、その仕組みづくりをまず検討されることを強く要望します。
次に、国民健康保険事業特別会計予算についてです。
本市においても、厚生労働省の調査結果と同様、国保加入者の所得は減少しているのに、国保税は高くなっているという実態がみられます。
低所得層で構成されていることや、過去に比べてもいかに国保税が重くなっているか、払えない滞納世帯が出てしまうかは、構造的な問題であり、個々の納税意識の問題ではないこと、負担が限界にきていることを認識すべきです。
全国知事会、全国市長会、全国町村会など地方団体がこぞって指摘しています。そして公費投入の拡充を国に要望しています。
代表質問でも紹介した、年金月1万円の加入者は7割法定減免を適用しても、均等割、平等割の課税によって、月2150円という国保税の高さはもはや異常です。
他都市で広がっている「均等割の減免」は、本市は困難だとして、実施の検討の姿勢すら示しません。
18歳未満の子どもの均等割の免除額は約4億3000万円とのことですから、毎年ほぼ15億円から20億円の決算剰余のなかから財源にあてることは十分可能な金額ではないでしょうか。困窮する市民に寄り添う姿勢を示していただくことを求めます。
介護保険事業特別会計についてです。
介護保険制度は、保険あって介護なしの制度となっていることが、問題視されてきました。 年金から天引きされ、3年ごとに保険料が値上げされ、いざ、介護サービスを受けたいと思っても、次々とハードルが高くなり、必要なサービスがお金次第では利用できないからです。「自立支援・重度化防止」に向けた保険者機能強化とめいうって「成果」をあげた市町村への財政支援をするという保険者機能強化推進交付金は保険者機能をゆがめる制度であり、このような制度はやめるべきと考えます。
住民主体サービスもボランティア頼みでは、必要な介護サービスが十全に安定的に提供できるという環境とはなっていないのが現状です。
介護保険料の負担が重すぎること、利用料が重すぎるなどの課題は一層深刻になるばかりです。
介護保険制度は介護保障制度であるべきで、この原点の照らしても
現状の在り方については、多くの問題があり、賛成はできません。
麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業特別会計についてです。
この事業については、事業手法や事業費が短期間で大幅に変動するなど、事業開始時から様々な点で問題を感じてきました。
この地域の地中埋設物の可能性の不安から、この手法で進行することに危惧を感じていましたが、不安が的中したということになります。
建設委員会等で明らかになった、市のし尿及び浄化槽汚泥の埋め立て処分や民間の地中へ廃棄物投棄についてです。この地域の状況をよく知っていた人にとっては、出るべくして出てきた、というこよになります。
市がし尿等の投棄をしてきた、というのは、行政運営のなかでされてきたことで、何故今、発覚されるのかがまず、不可解です。
昭和46年当時から8年間、し尿及び浄化槽汚泥の埋め立て処分が行われていた地域であり、掘ればでてくる地域であることが何故今でないとわからなかったのかが、理解できません。
当然想定されていた地域なのに、何故、市施行でこの事業を進めてきたのか、地下を掘ってでてきたら、処理対応すれば、問題ない、レベルとしての考え方に立って事業開始したのか、事業実施前の十分なかつ慎重な検討がなされたのか、市施行ですから、市の責任は大きいと思います。この点は検証されるべき点だと考えます。
埋設量や土壌調査結果、関係する経費、スケジュールの変更等の具体的なことは今後明らかになってくることですが、市民にとっては、事業費がさらに膨らむのか、スケジュールがどの位遅れるのか、など関係者だけでなく、税金投入という点では市民全体の問題です。今後、現場での適切な対応とともに今回の事実経過についての検証を求めたいと思います。
以上討論とします。