環境アセスメント問題都民連絡会の会報「環境アセス」を定期購読していますが、5月号に産業技術総合研究所主任研究員 歌川 学氏の「省エネ・低炭素時代にリニア新幹線建設はふさわしいか?」のテーマで論じられたおる記事がありました。
以下見出しとまとめを紹介します。
運輸全体の省エネ・温暖化対策の課題
・運輸のCO2は日本の約2割を占める
・2050年に向け1990年の20分の1に減らすために、運輸のCO2削減も必要
・旅客は鉄道が最も優れているー比較数字列記
・鉄道をすぐに急拡大は難しいが、計画的に進める必要がある
鉄道輸送における選択肢について
・鉄道新線建設の時にはどんな技術を選択するかには議論がある。
・輸送効率の悪いリニア新幹線への移行はCO2削減は限定される
・リニア新幹線のCO2原単位は東海道新幹線の約4倍
・東海道新幹線や飛行機からリニアにシフトした場合CO2排出量は差し引で全体に排出増になる可能性がある
・リニアは新技術なので、不確実生がある。特に超電導磁石の冷却に大きなエネルギー消費を要し、排出量は予測より拡大する可能性
・年間電力消費量も飛行機燃料の「減少」も見込んでも増加の可能性に。
・温暖化対策と脱原発依存が求まられる中、新しくつくられるインフラで総量増、効率悪化となるのは望ましくない
・新しい技術選択として原単位が最良のものを選択が望ましい。
東京ー大阪の正味移動時間比較
・比較優位でなく、絶対的所用時間短縮が目的とすると、約1時間半の短縮のためCO2やエネルギーを3倍にし、それを数十年年使用 することについて (2050年にはCO2の80%~95%削減が求められている)議論する必要がある
まとめ
・新しく作るものは、CO2原単位やエネルギー効率で最良のものを常に選択していくことが望ましい
・運用時のCO2やエネルギーも環境影響評価し、代替案を広く出し、様々な選択肢のなかから環境負荷の小さい選択をしていくことが 期待される
(関心のある方は直接こちらへー東京都北区赤羽西 6ー29-15 03-3909-6591)